


シニアライフをエンジョイする中で、新たに保険に加入するとか、すでに加入している保険の見直しとかの場面に遭遇することがあります。そんな時に参考になるものがあれば迷ったり、悩んだりせずにすみます。そうだ、そんな記事をブログに投稿しようと『ひらめき』が浮かびました。そこで『がん保険の決め手!損をしない、かしこい入り方』というテーマでブログにまとめる準備をしていました。『手順としてがん保険の仕組みや各社ごとの違いなどを調べる前に、最近のがん動向とか、がん事情を知る必要がある。』と考えました。準備作業としてその実態を 【国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」】のデータを元に調査・分析しました。 当初は 『がん保険の決め手!損をしない、かしこい入り方 』 の一部分として使う予定でしたが、かなりボリュームになったので、テーマとして独立させました。
目次
最新がん統計のまとめ
がんの実態を示す数値


◆死亡(2017年)データのまとめ
- がんにより死亡した人員は37.3万人、男性22.2万人、女性15.3万人です。
- 生涯がんで死亡する確率は男性25%、女性15%です。いいかえると男性は4人に1人、女性は7人に1人の確率でがんで死亡するということです。
- 現在40歳の人とが20年後にがんで死亡する確率は男女とも2%です。
- 人口10万人あたりの死亡率は男性363.2人、女性239.1人とう数値です。
◆罹患(2014年)データのまとめ
- がんに罹患(がんと診断された人)した人は男女計86.8万人、男性50.2万人、女性36.6万人です。
- 生涯がんに罹患する確率は男性62%、女性47%です。いいかえると男女ともにほぼ2人に1人はがんにかかるということです。
- 現在40歳の人が20年後の60歳までにがんに罹病する確率は男性7%、女性9%です。ちなみに10年後の50歳時点までですと男性2%、女性4%です。
◆推定(2019年)のデータのまとめ
- がんに罹患(がんと診断された人)した人は男女計101.8万人、男性57.3万人、女性44.5万人です。 5年前と比べると男女計15万人増で男性7.1万人、女性7.9万人と女性の増加が女性目立ちます。
- 部位別にみると男性の前立腺、女性の乳房が増加率が目立ちます。
- 5年相対生存率は男性59.1%、女性66.0%と女性の生存率が高いです。
最新がん事情として、先に結論を纏めました。詳細は、以下にさらに詳しく解説してあります。ぜひ最後まで、お読みいただいて『がん』に対する知識を高めてください。
がん死亡(全般)
年齢別がん死亡率(人口10万人対する死亡者数)
2017年の人口10万人に対する死亡者数で死亡率を判断しています。目盛りが3000となっているラインは10万人のうち3千人ががんで死亡していることを示しています。従って死亡率は3%です。このグラフから60歳を境にがんの死亡者数はカーブを描きながら上昇を続け、男性の上昇カーブは 女性と比べると さらに急激上昇しています。
がんで死亡する確率(部位別)
部位 | 男性 | 女性 |
全がん | 25 % | 15 % |
食道 | 1 | 0.2 |
胃 | 3 | 2 |
大腸 | 6 | 4.6 |
肝臓 | 2 | 0.9 |
膵臓 | 2 | 2 |
肺 | 6 | 2 |
乳房 | 2 | |
子宮 | 1.3 | |
前立腺 | 1 |
上表は2017年の「主な生涯がん死亡リスク」です。がん全体では男性はがんで死亡する人は4人に1人。女性は7人に1人です。男性では大腸がんと肺がんが17人に1人です。女性で次に多いのは胃がん、膵臓がん、肺がん、乳房がんが50人に1人という確率です。女性では大腸がんがいちばん多く22人に1人です。
現在年齢別がん死亡リスク
男性年齢別がん死亡リスク
- 男性の累積死亡リスク(ある年齢までにがんで死亡するおおよその確率)を示しています。
- 40歳の男性でみると20年後の60歳までにがんで死亡する確率は2.0%
- 40歳男性の30年後の70歳までにがんで死亡する確率は6.0%と上昇
- 40歳男性が40年後の80歳までに がんで死亡する確率は14.0%とさらに上昇
- 50歳代、60歳代の男性でも80歳までにがんで死亡する確率はほぼ同じ14%
- 80歳までにがんで死亡する確率 13~14% にどう対応するのかがカギ
女性年齢別がん死亡リスク


女性の場合も男性と同様の見方です。40歳の女性が40年後の80歳までにがんで死亡する確率は8%です。男性と比較するとずいぶん確率は低くなっています。40歳代以降でがん保険の加入を検討するなら、80歳までにがんで死亡する確率の8%をどう考えるかです。
がん罹患(新たにかかること)




年齢別がん罹患率


2014年のデータでは男性は45歳を超えたころから徐々に上昇、55歳を過ぎると急激に上昇します。女性は30歳から55歳くらいまで、男性を上回る罹患率ですが、55歳すぎから男性に逆転されます。
部位別がん罹患率
部位 | 男性 | 女性 |
全がん | 62% | 47% |
食道 | 2 | 0.4 |
胃 | 11 | 5 |
大腸 | 20 | 15 |
肝臓 | 3 | 2 |
膵臓 | 2 | 2 |
肺 | 10 | 5 |
乳房 | 9 | |
子宮 | 6 | |
前立腺 | 9 |
2014年の部位別がん罹患率とは新たにがんにかかる確率のことで、全部のがんをトータルすると男性で62%、女性で47%ときわめて高い数値を示している。これは男女ともに2人に1人ががんにかかることを意味します。男性では大腸がんが5人に1人、胃がん・肺がんが10人に1人はかかっていることを示しています。女性では大腸がんが7人に1人、乳房がんが10人に1人の確率です。このデータは少し古いですから、実際は前立腺がん、乳房がんは大腸がんと並ぶ水準にあるかもしれません。
現在年齢別がん罹患リスク
男性年齢別がん罹患リスク
- 男性のがん罹病(がんと診断される)おおよその確率を示しています。
- 40歳の人が20年後の60歳までにがんと診断される確率は7%です。
- 40歳の人が30年後は20%、40年後には41%の人ががんになってしまう。
- 何歳の人でも、80歳になるまでに41%の人ががんと診断されます。
女性年齢別がん罹患リスク
- 女性の がん罹病(がんと診断される)おおよその確率を示しています 。
- 40歳の人が20年後の60歳までにがんと診断される確率は9%です。
- 何歳の人でも80歳になるまでに約30%の人ががんと診断されます。
がんの生存率
5年生存率


5年相対生存率
出典: 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計 」
あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標。あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体*で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します。
2006年から2008年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計で62.1%(男性59.1%、女性66.0%)。
がん罹患数予測


日本のがん統計は、罹患データは2~3年、死亡データは1~2年遅れて公表されます。そこで諸外国では現時点でのがん統計予測することが行われています。このデータはこの短期予測を日本のデータを使用して予測したものです。
予測データのポイント
2019年のがん罹患数予測では男女計の全がん罹患数を101.7万人と予測しています。部位別では①大腸②胃③肺と2015年のがん罹患数と同じで、この3大がんは今後もがん罹患数では上位を占めることでしょう。男女別の特徴をみると男性では前立腺がん、女性では乳房がんか上位に入ってきて、特に乳房がんは女性の1位に進出する予測です。