2015年10月5日正式に『食道がんステージⅣ』という診断結果の告知を受けました。すでに検査の過程からその結果はうすうす気づいではいたが、やはりショックでした。家族には余命約6カ月という宣告まで伝えられていたのです。
そこから私(Toshi爺)の『がん闘病奮戦記』が始まり、9カ月後に一旦ピリオドを付けます。結果はめでたし、めでたしの『寛解』となります。
ステージⅣのがん患者が、なぜ、どうして『寛解』したのか、時間軸で順に記述させていただきます。ぜひ、最後までお読みいただければ幸いです。
目次
諦めなければ”がん”は治る、苦しみの門が開かれた
“がん”は治る、初回入院47日間の闘病生活
がん最初の関門・抗がん剤治療
食道がんステージⅣの治療方針は検査入院していた時にすでに決めてありました。外科的手術は回避して抗がん剤治療をメインに放射線治療を併用して治療していく方針です。
入院してからの最初の関門は抗がん剤治療です。治療計画では『フルオロウラシル(5-Fu)』と『 シスプラチン 』の2種類の併用でした。ちなみにこの2種類の抗がん剤は胃、食道、大腸など消化器系の臓器に効果が高いものです。
がんの薬・フルオロウラシル
フルオロウラシルは、フッ化ピリミジン系の代謝拮抗剤で、抗悪性腫瘍薬。ウラシルの5位水素原子がフッ素原子に置き換わった構造をしている。 1956年にDushinskyらによって合成され、その後Heidelbergerらを中心として基礎および臨床にわたる広範な研究で抗悪性腫瘍剤としての評価が確立された。 ウィキペディアモル質量: 130.077 g/molCAS登録番号: 51-21-8化学式: C4H3FN2O2半減期: 10-20 minutes血漿タンパク結合: 7.5~10.3%法的規制: 劇薬; 指定医薬品; 処方箋医薬品他の人はこちらも検索: オキサリプラチン、 フォリン酸、 イミキモド、 さらに表示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
FP-rad 療 法 の手 引 き
FP-rad 療法は、“フルオロウラシル”(商品名:5-FU®注)と “シスプラチン”(商品名:シスプラチン®注「マルコ」)を併用する 化学療法に放射線療法を組み合わせる治療法で、欧米では 20 年ほど前からこの組み合わせが用いられ手術に匹敵する 成績が期待できるのではないかと報告されています。日本でも 当院を中心としたグループにおいてこの組み合わせでの治療 法を検討し、手術も含め選択枝のひとつとなりうると考えられ ています。
出典: 国立 がん研 究 センター中央病院 https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/pamph/FP-rad.pdf
がん放射線治療も同時に始まる
抗がん剤治療と並行して放射線治療も開始されました。近年はできるだけ副作用を少なくするために、患部に直接照射して周辺にはあまり影響のない方式が開発され効果も高くなっています。
放射線の照射は1日1.5G(グレイ)で回数は30回に設定されています。毎週月~金の5回を6週間で30回となります。照射時間は1日当たりではわずか5~6分ほどで痛みも全く感じません。
がん放射線治療の種類
放射線治療は、体の外から放射線をあてる「外部照射」と、体の内側から、がんやその周辺に放射線をあてる「内部照射」に分けられます。外部照射と内部照射を組み合わせて行うこともあります。
Toshi爺がやったのは強度変調放射線治療(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)というものだそうです。
出典: 国立 がん研 究 センター中央病院 https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiotherapy/rt_03.html
がん初回治療時の闘病生活について
入院して、すぐ翌日から「抗がん剤治療」と「放射線治療」が始まりました。まだ何も判らないまま、初めての長期入院でもあり、『余命6カ月』と聞かされてもいました。
まったく、手探り状態のまま『闘病生活』に突入いたしました。逆に何も予備知識がないままだったのが、幸いしたかもしれません。入院当初の闘病メモには次のような事柄、自分の思い、病気の辛さなどが書かれていました。
“がん”は治る、初回闘病生活のメモ(第1週)
- 10/16抗がん剤(フルオロウラシル+シスプラチン)点滴始まる
- 放射線照射(IMRT)始まる
- 抗がん剤副作用でる・気持ち悪い・吐き気する・頭がぼうっとする
- 放射線照射副作用あまりなし・痛くも、かゆくもない
- 2日目食道の通り少し良くなった・食欲はない
- 2日目シャックリの発作、体調もあまり良くない
- 体重76.2Kgあまり変化なし
- 4日目体調すこし良くなる
- 5日目点滴終了・体調すこし良くなった
- 点滴は24時間×4日連続(昼夜)・初日昼から5日目昼まで
“がん”は治る、2回目闘病生活のメモ(第5~6週)
- 1回目の抗がん剤投与から2回目の投与まで約4週間は放射線照射のみで比較的楽な闘病生活を送っていました
- 吐き気も治まり、食道の通りもますます良くなってきた
- 体調も、気分も良く、がん患者だということを 忘れてしまうほど
- 抗がん剤と放射線の治療効果がでているのかと、思えるほど
- 2回目の抗がん剤投与始まる。体重71.4Kg順調
- 初日、2日目ともあまり吐き気もなく、副作用もない、しゃっくりが出る
- 3日目胸がムカつく、吐き気すこし、しゃっくり続く
- 4日目気分良好、初回投与と比較して、2回目は副作用すくない
- 薬が効いているのか、効かないのか不明、でも食道の通りがよいのでOK
- 5日目投与終了、すぐ体調も回復、気分良好
- 唯一の副作用てせある白血球数の減少見られる、それでも4000/ul
- 抗がん剤投与中は食欲がないので、むりに食べなかったのが、逆に良かった、これは自己判断
- 体調回復し、副作用なしで、6週目を過ごすことができた
- 放射線治療の最終30回をクリアしたら、退院しても良いとの許可でる
- 7週目の終わりである11/30に退院、体重71.3Kg
諦めなければ”がん”は治る、そんな気がしてきた
2015/10/05 食道がんステージⅣの診断
2015/10/16~11/30 放射線治療(IMRT)照射回数30回
2015/10/16~10/20 抗がん剤(5F-u+シスプラチン)1回目点滴投与
2015/11/17~11/21 抗がん剤(5F-u+シスプラチン)2回目点滴投与
2015/11/30 食道がんステージⅣ 仮退院
諦めなければ”がん”は治る、寛解への道のり
毎月1回抗がん剤投与(2016/01~02,03,05の各月・1週間入院)して通算3,4,5,6回目の投与で完了。
2016/6/16 胃内視鏡検査及びPET検査を受け、結果良好食道がん消滅。晴れて寛解宣告。当初3か月、1年後からは6カ月ごとの経過観察でよい。