『釣りはフナに始まり、フナに終わる』これは有名な格言であります。
子供のころ始めて親しんだ身近な釣りが、近くの川や池で釣れるフナであり、働くため故郷は離れるが、老後また故郷に帰って近所の川でフナ釣りをする。なんとも、ほほえましい情景ではないでしょうか?
私ことToshi爺の場合はその対象魚がハゼであったため、タイトルのごとき表現となりました。30歳~74歳の44年間にどんな釣りを経験し、どんな楽しみを見いだしたのか。
終生の道楽である【釣り遍歴】を記してみました、どうか最後まで、お付き合いください。
サオ、イト、ウキ、オモリ、ハリ、エサを釣りの六物などと言いますが
昔は、それらを使った最も身近な釣りがフナ釣りだったわけです。
子どもの頃にフナで釣りの楽しさを覚え
大人になり行動範囲が広がると、海や渓流に足を運ぶようになって
フナから遠ざかっていきます。
で、老いてきて遠出が難しくなってくると
また近所の小川でフナを釣るというわけです。

私(Toshi爺)の釣り遍歴
波止場・堤防の釣り ・・入門・初心時代(30歳台)

当初は釣りというものについて、あまり好きでも、嫌いでもなく、いうなれば興味がなかったのです。そんな私が、釣りをやるようになったのは、子供たちのおかげです。
息子が小学4年になった時、『友達もやっているので、僕も釣りがやりたい』急に息子が言い出したのです。娘も『釣りに行くなら、一緒に行く』と意見が一致しました。
ところが、私の方が釣りはやったことがなく、知識もありませんでした。
その頃はまだ、ネットなどという便利なモノはなく、書店に行って「釣り入門」という本を買ってきて勉強しました。
とりあえず【釣りの六物】といわれる「竿、糸、浮き、おもり、針、エサ」を釣り道具屋さんで購入しました。
いよいよ、準備万端で釣りに行こうと計画をしたのですが、名古屋市の街中では小川も流れていません。
そこで、「釣り入門」にも書いてあった、【ハゼ釣り】をやってみようということで、意見が一致し、庄内川が名古屋港に流入する地点【藤前干潟】の前にある、稲永公園でチャレンジしました。※上の画像は「藤前干潟に面する稲永公園前の波止波止場」
釣竿は息子と娘用に2本用意しましたが、なにせ初めてのことで「竿に道糸を結んで、ウキ用のゴム管を糸に通して、次にオモリとより戻し、最後に針をつなぐ」そんな簡単な仕掛けを作るのに30分もかかり、大苦戦でした。
エサをつけて仕掛けを投入して、あたりがでるのを待っているのですが、それもなかなかあたりがこず、子供たちはすぐに飽きて走り回っています。
そうこうしているうちに、娘の竿にアタリが出て、上げてみるとハゼがついていました。初めてのハゼつり1匹釣れました。そのしばらく後に息子にもアタリがあり、ハゼがつりました。
その後、なんとか続けてやっているうちに、息子も娘も3~4匹づつ釣れてそれなりに満足したみたいでした。
しかし、ながら私は2人の仕掛けとか、エサつけとかの作業で、釣りもあまりできず、残念ながらボウズで終わってしまいました。これが、私の釣りのデビューで釣る目的の魚種はハゼでした。そしてはずかしながらのボウズ、これが私の【釣りとの出会い】でした。


ハゼつりの仕掛け ・・・ ハゼの画像

今は、完成仕掛けも市販品であります。便利な時代です。初心者の私が30分もかかった仕掛けを、そのまま竿に結ぶだけです。
ハゼは今でも、岸からもやりますが、船でハゼ釣りです!
渓流イワナ釣り ・・・ 冒険好き友人と(40歳台)

釣りにも、そこそこ興味を抱いてきたころ、そう40歳になった頃のことです。波止や堤防からの釣りもいいのだが、なかなか思うように釣れない。
そのころすでに、船釣りにも入門してみたが、こちらの方はやはりお金がかかる分だけ、釣果は伸びるのだが、金銭的に苦しいので月1回がやっとかなう程度でした。30年前でも乗合船の料金は1人5千円で結構高かった記憶があります。
そんな時に冒険好きの友達から誘われたのが、渓流釣りで主としてイワナ次いでアマゴ狙いでした。長良川源流や吉田川の支流から入川し、山の頂上まで釣り続け、水がなくなったところから、下山するという。結構ハードな釣りでした。
折りたためば短尺になる4.5mの渓流竿に、2~3mのチョウチン仕掛けにミミズのエサという極めてシンプルな仕掛けです。道中は極めて狭く、大半は川の中を歩いて登り、時には滝を高巻きして迂回しながら進むという過酷な釣りです。
吉田川の源流につながる支流でイワナのいるポイントは3つくらいしかなかったので、釣行は3人までと定めていました。渓流釣りのポイントは中々人には教えません。そのポイントも仲間うちの秘密でした。
そのころは吉田川源流につながる支流は両側を全く未開発の杉林に囲まれ、まるで木のトンネルをくぐり抜けていくところで、鹿や猿によく出くわしました。
支流には分かれて別々に入って、釣り上がっていくので、川には1人だけです。最初の頃はざわざわという小さな音でさえ、びくびくしていました。
大きなイワナのいるポイントはやはり、深い滝つぼでゆっくりと泳いでいます。下流からできるだけ、音を立てずに川の中を歩き、滝つぼの前に立ちました。
なんか、いそうな予感がし、竿を伸ばしエサを垂らすと、下からジャンプして尺上のイワナが食いつきました。驚きで手が震えました。エサをくわえて、深く潜ろうとしていました。
あわてて、竿を立て合わせることができ、なんとか滝の淵まで、引きずりでして、地上に運びました。初めての尺上イワナあとで計測したら40cmありました。これが私のイワナの記録です。
その日はそこで釣りを切り上げて下山しました。下に止めてあった、車の中でとりあえず1人でビールで乾杯しました。今、思えば最高の思い出です。
この渓流釣りは毎年4月の終わり位から8月いっぱいまで、毎週のように釣行しました。お金もあまりかからないし、釣った魚は美味しいのでいつも満足していました。
中でもイワナの骨酒は口では言い表せないようなうまさです。こんがり焼いた小さめのイワナを熱燗酒のコップに入れてふたをしてしばらく待つと、ウイスキーみたいな色が付き、味も極めてまろやかになります。骨酒なら何杯でもいけます。
しかしながら、こんな楽しみも4年しか続きませんでした。それは私たちが秘密にしていたポイントが周囲の山林の開発が進み、魚も少なくなり【禁漁区】に指定されてしまったのです。


イワナ釣りの仕掛け ・・ヤマトイワナとニッコウイワナの画像
せっかくのポイントが【禁漁区】に指定され、別のポイントもさがしたのですが、なかなか思うような釣果もでず、渓流釣りからは足が遠のきました。
おすすめのイワナ竿
渓流づりは今現在”オイカワ”釣りのみです

船釣り ・・・ 現在までずっと(35歳~74歳)

最初に船釣りわ始めたのは、波止や堤防釣りではなかなか成果が出ないので、一度【船釣り】でも行ってみようかと、弟に誘われたのがきっかけです。最初の釣りものはたしか「メバル・カサゴ」の2魚種のリレー船の記憶があります。今から40年も昔の話です。
さすがに、船に乗るのは「船酔い」が怖かったです。『そんなもの、酒を先に飲めば、酒に酔うので、船酔いはしないよ』そう言われて、酒を大量に飲んだら、酒も船もダブルで身体にきいてきて、大迷惑でした。いわれたことは全くのデタラメでした。
それから次回以降は早く寝て、睡眠をたっぷり取れば大丈夫と言われ、その通りしたら、今度は正解でした。念のため、「船酔いのアンプル」も飲みました。2~3回したら、船酔いはしなくなりました。身体か船になれたのかな。
船釣り4回目の【カサゴ釣り】から、釣果は急激に上昇しました。サイズも大きく25~30cmものカサゴが20匹、20cm以上が15匹とすばらしい釣果に恵まれました。その時、船釣りはなんてすごいんだ!クーラーがいっぱいになるほどのカサゴだ。40年前の良き日の釣果です。
そのころの伊勢湾師崎の遊漁船は今みたいに、たくさんのメニューはなく、冬場は「メバル・カサゴ」夏場は「アジ・サバ」という各2種類のつり魚種しかなかったのです。
メバル釣りの釣果もすばらしく、大きさも25~30cmが大半で、20cmクラスは小さい部類に入れていました。数も6本針に6匹、満タンでついてくることも、何度かありました。数量も40~50匹は普通のことでした。
そのころは釣り人人口も少なく、小さい魚はリリースしていたので、魚影は今と違って、数段濃いものでした。エサもカサゴはサバの切り身、メバルは生の湖産エビが普通でした。メバルは石鏡ではアミエビのコマセでサビキ釣りを行っていて、少し型は小さいが一人100程度は釣れていました。
それ以外の魚種例えばタイ、マダカなどは大物釣りで仕立て船で行っていました。そのころ仕立船では竿なんか使わない、ビシマ糸仕掛けの
手釣りが主流でした。伊勢湾独特のウタセエビをエサにした、マダイつり、マダカ釣りが盛んに行なわれていました。タイ釣りの名人とか、マダカ釣りの名人とか呼ばれる伝説の人も存在していました。
現在では竿とリールの性能が向上し、誰でも大型魚をバラさずに釣ることができるようになりました。また電動リールの普及により、深いポイントの漁場も活用できるようになりました。みんなが名人です。
また、オフシォアと呼ばれる、ルアーで魚を釣る釣法やタイラバと呼ばれる疑似餌釣法も盛んになりました。乗合船でもオフシォア専門の船も出船し、釣りの多様化が進んでおります。今後は電動リールやレーダー機能がより性能を向上させ、だれでも簡単に釣れる時代に突入するでしょう。


船釣りアレコレ ・・魚種、釣果
船釣り釣果いろいろ




釣り遍歴・まとめ
35歳~74歳、そしてこれからもずっと身体が動く限り、釣りをやりたい。40年有余も釣りをやってきたのに、どこがいいのだろう。自分でも理由は良くわからない。
趣味はやはり相性の良し悪しに関係されるのかな?長い人生の中で【釣り】という趣味に出会えてよかった。
いまはただ、それしか言えない。あと何年生きることができて、そして釣りができるのか?神のみぞ知る。
