シニア(高齢者)の多くはPPK(ピンピンコロリ)すなわち、「病気に苦しむことなく、元気に長生きし、最後は寝付かずにコロリと死ぬこと、または、そのように死のう」という『ぽっこり往生』願望を持っています。
その証拠に全国各地に【ぽっこり寺】が存在し、多くの参拝者を集めています。この信仰は古くからあったのですが、昨今、平均寿命がどんどん長くなり、ますます盛んになってきました。
健康寿命との差である約10年程度をいかに生きて、PPKで人生を終わりたい。この願望を実現するための方策、ご紹介します。

目次
PPK(ピンピンコロリ)とは

- 「PPK」(ピンピンコロリの略)は前述のごとく、高齢者が元気なうちに突然、もしくはごく短い期間の療養の後に亡くなること
- 「NNK」(ネンネンコロリの略)とは高齢者が寝込んで介護が必要な時期を経てから亡くなること
- 誰も「死」から逃れられないことは、みな知っている。しかし「死に方」は選択が可能である。だから「PPK」を望む
- それは長生きをしたい、ということの裏返しであり、長生きをした上、元気で人に世話をかけずに最期を迎えたいというのが「PPK」をというシニアの願望
ぽっくり往生とPPK
- ぽっくり往生とPPKとの違いはほとんどない
- 共通しているのは、長い痴呆の末、周りに迷惑をかけて亡くなるのは耐え難い
- 病に倒れて、薬や手術で体の自由がきかない中、長く苦しみながら死ぬのは避けたいという感情
- 健康で寿命をまっとうし、頭が衰えてぼけることもなく、体が衰えて介護が必要になることもない
- 東北大学東北文化研究室によると「ぽっくり往生」という言葉は18世紀のはじめには現れている
- 今の「ぽっくり願望」がブームとなったのは、有吉佐和子が「恍惚の人」で認知症の高齢者を描いた1972年(昭和47年)
- 1972年(昭和47年)当時日本の平均寿命は男性が69歳、女性が74歳。高齢者化率はわずか約7%
- そこからわずか50年足らずで、寿命は一気に10年以上伸びて2016年では男性:80.98歳 女性87.14歳となっている
- PPKにしてもポックリ往生にしてもその文脈の前には必ず「長生きをして」ということが暗黙の了解として含まれている
- PPKもポックリ往生という言葉に死の暗い影が見えず、明るく語られることが多いのはそのため


PPK(ピンピンコロリ)を実現するために

- PPKは多くのシニア(高齢者)の強い願望だが、【長生き】をしてという前提のもと
- 【長生き】とは平均的な寿命より長く生きること
- PPKを実現するためには、健康寿命と平均寿命との差を縮めること
- 言い換えれば【健康寿命】を延伸すること
参考(関連記事) 平均寿命と健康寿命の違いについて
平均寿命と健康寿命との差の意味するもの
7つの指標を満たし自立して生活できる年数が健康寿命
- 不健康とは自覚していない
- 労働、仕事、社会参加ができる
- 日常の基本的な生活行動ができる(起きる、排便、排尿、洗面、食事など)
- 買い物、電話、お金の勘定などの生活行動ができる
- 移動に差支えがない
- 知的・認知機能に障害がない
- 病院や施設に入っていない
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平均的な健康寿命
- 内閣府の平成30年版高齢社会白書によれば平成28年(2016年)
- 男性の平均寿命は80.98歳で健康寿命は72.14歳と、その差は8.84年
- 女性の平均寿命は87.14歳で、健康寿命は74.79歳とその差は12.35年
- この平均寿命と健康寿命の差が自立して生活できない期間
- つまりピンピンコロリを実現するためには平均寿命と健康寿命の差の9年から12年をゼロにすることが必要
- 実際にピンピンコロリと死ぬ人はごく僅かであろうから、できるだけ健康寿命を延ばす努力をして、平均寿命との差を小さくすればするほど、充実した豊かな人生を送ったことになる


健康寿命を延伸するための方策

人は年を取れば心身ともに衰えていくことは仕方がないが、人によって若く見えたり、老けて見えたり、個人差が極めて大きい
これは遺伝的要素に加えて、後天的に老化を遅らせる努力をしたかしなかったかによると言える
① 転ばぬ先の筋トレ
- 転んで寝たきりになって、一気に老化してしまう例は多い。転ぶのは足腰の筋肉が衰えてくるからで、筋トレで筋肉は少しは増える
- ウォーキングなど有酸素運動とストレッチ運動をあわせれば、なお効果が上がる
- 歩幅を広げることを意識し、開眼片足立ちを1分間以上できるようになれば、バランス感覚も上がり転倒を防ぐことができる
② 栄養バランスの取れた食事
- 量は多くなくてもおかずの種類を増やして偏らない食事を朝、昼、晩とよく噛んで食べる
- 腹八分目で塩分を減らし間食はなるべくしないよう心がける
- よく噛むためには虫歯や歯周病で歯を失わないよう毎食後の歯磨きと歯科医の定期健診を受ける
③ 地域社会とのコミュニケーション
- 仕事でも、ボランティアでも、趣味や友人との会合でも積極的に参加する
- 社会とつながりを持ち、おしゃべりをし、情報を仕入れ、やりがい、生きがいを持つ
④ いろいろな事に興味を抱く
- 何事にも好奇心を持って新しいことを体験してみることで脳に刺激を与えて血流量を増やし活性化し、ボケを防止する
⑤ 感情をコントロールしストレスをためない
- 感情をうまくコントロールしてストレスをためない
- 年を取ると頑固、短気、くどくなりがちだが、興奮すると血圧があがり、心臓発作の原因になるので、笑って、感情を抑えて、穏やかに暮らす
⑥ 最後は神・仏たより
- ピンピンコロリを願っても、その通り行く確率は少ないので、最後は神仏に祈る
- 日本全国に「ぽっくり寺」が誕生しているが、有名なところでは奈良県斑鳩町の吉田寺(きちでんじ)
- 長野県佐久市のぴんころ地蔵尊、
- 福島県弘安寺、妙法寺、恵隆寺の「会津ころり三観音」などがある
- 参拝旅行することで気分をリフレッシュすることもできる
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参考図書 PPK関連&臨終の七不思議
本書の主題は、老いと死についてである。
自分の老いを素直に受け入れつつ、健康であり続けて老後の人生を楽しむためのコツや、死への準備(例えば、葬式やお墓について)をどうするかなどが書かれており、なにがしかの参考になる。
弘兼/憲史
1947年、山口県に生まれる。早稲田大学法学部を卒業後、松下電器産業に勤務。のち、漫画家として独立。1976年「朝の陽光の中で」で本格デビュー。「人間交差点」で小学館漫画賞(1984年)、「課長島耕作」で講談社漫画賞(1991年)。「黄昏流星群」で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(2000年)、日本漫画家協会賞大賞(2003年)。紫綬褒章受章(2007年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
家にこもっていないで外に出る。刺激を与えないとボケてきますしね。あとは家の温度差とか歳をとるといろいろ注意しないといけないこともあります。そういうことが書いてありますので「知らなかった」という人と「こういうことなので知っている」という人と本を読んだ印象が別れる
著者 星/旦二
1950年、福島県生まれ。首都大学東京名誉教授。福島県立医科大学を卒業し、東京大学で医学博士号を取得。東京都衛生局、厚生省国立公衆衛生院、厚生省大臣官房医系技官、福島県立医科大学、聖路加看護大学、東京医科歯科大学の非常勤講師も務めた。
五十年以上に及ぶ臨床の知見をもとに、知られざる臨終間際の世界、そして本当に幸せな“看取り”とは何かを追求した渾身の一冊。
著者: 志賀 貢 北海道出身。医学博士。昭和大学医学部大学院博士課程修了後、内科医として約50 年にわたり診療を行い、現在も現役医師として日々患者に接している。
その傍ら文筆活動においても『医者のないしょ話』をはじめとする小説やエッセイ等、著書多数。最近は『臨終の七不思議』シリーズで注目され、臨終医としての著作活動を精力的に行っている。
PPK(ピンピンコロリ)・まとめ
『長生きで、ぽっくり往生。願わくば、PPK』と題して健康寿命を延伸し、人生をPPKで終われるための方策をご紹介しました。いろいろ考えたり、本を読んだりもしましたが、やはり最後は神・仏たよりに落ち着きました。まあ、できるだけ努力はしてみるものの、後は【運まかせ】これが結論です。

