ぶらり四季散歩 名古屋・佐布里池梅園のあらまし
- 愛知県内一の梅林がある知多市佐布里
- 昔は、佐布里一帯に薄ピンク色の花が咲き、多くの観梅客が訪れにぎわいをみせた
- 昭和34年の伊勢湾台風でかなりの被害を受け、さらに愛知用水の佐布里池の建設により水没し、佐布里の梅はごく一部が残るのみとなってしまった
- その後、地元や県の協力で苗が植えられ、今では25種類、約6,000本にまで増加
- 見頃は2月中旬から3月中旬まで。薄ピンク色の佐布里梅、白色で一重の白加賀、小枝が緑で花が青みがかった白色の青軸などを楽しむことができます
佐布里梅の誕生
明治の初期に、地元佐布里の鰐部亀蔵さんという方が桃の木に梅を接木して作られたと言われています。現在では、遺伝子が調査され、交雑または突然変異によって生まれた「佐布里梅」を桃の台木に接木して増やしたというのが、真相のようです。

佐布里梅の特徴




- 佐布里梅の花は、薄いピンク色の一重で小ぶりですが、一本の梅の木には比較的多くの花が付きます
- その形は、咲き始めに5枚の花びらが若干とがっているため、小さなピンク色の星の形に見えます
- 他の梅では、先が丸みを帯びているものが多いので、比較して見るのも楽しい
- 6月上旬にたくさんの実が生ります。種が平らで小ぶりなので、相対的に果肉が厚いことが特徴
- 梅干しにはこれぞ梅というような酸味があり、梅酒、梅シロップにも最適
佐布里池梅林の衰退と復活










- 佐布里梅に限らず、梅の寿命は20~50年が最盛期で、それを過ぎると衰退していきます
- 残念ながら、明治から植えられた佐布里梅は、戦後になって弱ってきました
- そこに、伊勢湾台風などの自然災害により、約8割の木が被害を受けました。その後、昭和35年からの佐布里ダム建設により、梅林のほとんどが佐布里池の底に沈みました
- 昭和40年に佐布里池の工事が竣工すると、愛知県や地元の人々の熱意により、佐布里梅を始め、青軸や白加賀など25種の梅が植樹され、佐布里池梅林として復活しました
- また、平成13年の佐布里緑と花のふれあい公園の開園を契機に佐布里梅が植えられ、今では(令和2年4月現在)、愛知県内一を誇る約6,000本の梅林として親しまれています


梅の実の活用
佐布里小学校の野外活動

- 佐布里池梅林の梅の実は、毎年、地元の佐布里小学校の全校生徒とその保護者が梅ちぎりを行い、地域の住民に販売しています
- 佐布里小学校の児童図書は「梅の実文庫」と呼ばれ、この収益金で、これまでに1万3千冊にのぼる図書が購入されています
- また、この収益金の一部が佐布里池梅林の保全管理に充てられています
わくわく梅ちぎり


- 近年、佐布里小学校の生徒数減少に伴い収穫される梅の取り残しが発生するようになりました
- このため、平成29年から、知多市観光協会において、地元住民の協力のもと、梅の実のもぎ取りを体験する「わくわく梅ちぎり」を有料で開催し、多くの方に楽しんでいただいています
- また、この収益は、佐布里池梅林の保全管理に充てられています


アクセス
- 住所
- 〒478-0018 知多市佐布里台3丁目101番地
- 電車でのアクセス
- 名鉄「朝倉駅」下車、バスに乗り換え、「梅の館口」下車、徒歩約5分
- 車でのアクセス
- 西知多産業道路「朝倉IC」より15分
- 知多半島道路「阿久比IC」から15分
ぶらり四季散歩 名古屋・まとめ
佐布里池梅園は名古屋からは少し距離がありますが、スケールの大きな梅園です。約6千本の梅は咲き誇ると壮観であります。毎年知多市が中心になり梅まつりも開催されます。ぜひ一度お訪ね下さい。
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